使い勝手も紹介！無料アノテーションツールの比較

　AI Dataアノテーションサービスでは、画像・動画・音声・テキスト・データ収集など、様々なAIアノテーションデータ作成を実施しております。多くのアノテーションに関するプロジェクトを取り扱う中で、多種多様なアノテーションツールを使用してきました。今回は、各種アノテーションツールの特徴から始まり、実際に使用してみて分かった使い勝手等を7種ご紹介いたします。 全て無償ですので、初めてアノテーションをされる企業様や、選定に悩まれている企業様など、是非ご活用ください。

　そもそも各ツールのスコープの違いもあり、ラベルの種類や出力形式、操作性など、かなり異なることが分かるかと思います。なお、出力データが、独自形式の場合は、必要に応じてフォーマットを変換する必要があり、そういったツールも公開されているケースもあります。

　AI Dataアノテーションサービス（コネクティル）の自社ツールで、インストールが不要なクラウドサービスであることが導入しやすいポイントです。修正作業のやり取りがツール上でできる点、間違えたラベルを付けた際もアノテーション結果を消すことなくラベルを変更できる点等、工数削減を意識した点が魅力です。

　テキストへのアノテーションができる貴重なツールで、出力結果もシンプルなテキストになっていることが特徴です。データを格納する側(企業様や作業管理者)のみPython環境が必要となってきますが、作業者は指定のURLだけアクセスすれば作業ができますし、非常にわかりやすいUIが評価されています。

　他のツールにはみられないキーポイントの作業ができるツールです。ですが、インストールに時間がかかりDockerの構築から必要ですので、初心者には難易度が高いツールです。画像もツール上に直接アップするのではなく、ダウンロードしたPC上のGitHubのリソース内へ画像を格納する必要があるので、慣れるまでには時間を要します。

　Dockerの構築等を含めてインストールに2-3時間必要となり、PCのスペックもそれなりに必要となるツールです。ですが、3Dの画像を取り扱うことのできる点、ポリゴンでは点が自動で増える機能がある点、PCのメモリ等高くないとむずかしいですが自動アノテーション機能がある点等、非常にメリットも多いツールです。

　dockerでの立ち上げが必要ですが、データのインポートやエクスポート等非常にわかりやすいUIとなっています。ラベルの作成時に色の指定もできるので、作業者側のラベルミスを防ぐことも可能です。アノテーションの実施状況についても作業管理者側で随時ツール上で確認することができます。

　クラウドサービスであるため導入の難易度は低いですが、動作が安定しない点、メンテナンスが多い点、UIが大幅に変わる点、labelbox側とのやり取りが英語でしかできない点等、近年ではデメリットもみられるツールになります。少し前まではCOCO形式の出力もできていましたが、現状は独自形式とPascalVOCに似た形式のみの出力しかできず、当社での使用度は近年格段に下がっています。また、利用レベルによっては有償サービスとなります。

　物体検知(バウンディングボックス)に特化したアノテーションツールです。Anaconda等のPython環境が必要であるため、最初のインストールは少し難易度が高いですが、順序通りインストールすれば失敗するケースはほとんどありません。YOLO形式の出力ができることが魅力で、重い画像を取り扱いアノテーション結果は軽いデータが望ましい場合等は非常に重宝します。

　labelImg同様で、Anaconda等のPython環境が必要ではありますが、インストールの失敗はほとんどありません。都度のツールの立ち上げもスムーズに行うことができます。十字カーソルも出るため、繊細な作業に向いています。ショートカットキーも豊富で、当社の作業でも利用することがあります。一方で、出力形式が独自形式であるため、COCO形式を望む場合等は変換する必要があります。

　紹介の最後となります。一般的なアノテーションが一通りできるため、当社でも以前は良く使っていましたが、画像のアップロードが複雑、画像の拡大・縮小ができない等のデメリットも多く、近年ではあまり使用していません。特に画像の拡大・縮小ができない点ではポリゴンでの作業を緻密にできないため、近年の精度を求めるアノテーションには不向きなのかもしれません。